雇用調整助成金はどの決算に計上すべきか。

こんにちは、ゆうまです。

コロナによる休業で雇用調整助成金の申請が増えています。

今日、もうすぐ決算のお客様から「翌期に受け取る雇用調整助成金は、今回の決算には関係あるのか?」との問い合わせがありました。

実際の雇用調整助成金の支給決定通知書を手に取ると、いくつもの日付が確認できます。

①判定基礎期間

②申請をした日

③支給決定通知書の発行日

④実際の入金日(通知書には記載がありません)

一瞬、どの日をもって雑収入として計上すべきか悩みませんか?

決算日までに助成金の入金が終わっていれば全く悩むことはないのですが、どこかのタイミングで決算をまたいでいるときは、当期か翌期かどちらの決算に計上するのが正しいのかという点です。

一般的には助成金収入が確実に見込まれる日として、③の支給決定通知書の発行日が決算の前か後かで処理したくなるのですが、通達にズバリ記載があり、

法人税基本通達2-1-42 (法令に基づき交付を受ける給付金等の帰属の時期)

法人の支出する休業手当、賃金、職業訓練費等の経費を補填するために雇用保険法、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律、障害者の雇用の促進等に関する法律等の法令の規定等に基づき交付を受ける給付金等については、その給付の原因となった休業、就業、職業訓練等の事実があった日の属する事業年度終了の日においてその交付を受けるべき金額が具体的に確定していない場合であっても、その金額を見積り、当該事業年度の益金の額に算入するものとする

この通達から、「①の判定基礎期間の含む決算において収益計上するように。」と読めます。

そもそも、雇用調整助成金は経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者に対して一時的に休業などの処置を講じ、労働者の雇用の維持を図ったときに休養手当や賃金の一部を助成するものとあります。

あくまで「経費を補填」ということなので、給料と助成金収入の計上時期を一致させる取り扱いなのですね。

これからの決算組みにおいては、雇用調整助成金の申請の有無を確認することが必要です。期間も延びましたしね。売掛金をしっかり計上してても、未収入金が漏れてたなんてカッコ悪いですよね。

リーマンショックの時にも同じ質問や処理をした覚えがあります。ミスしないように早速チェックリストを更新することにしました。