今年の中小企業の自社株の評価額はどうなる?

おはようございます、ゆうまです。

先週、取引相場のない株式の評価に必要な今年の類似業種比準価額の1~2月分が公表されましたね。

中小企業であるお客様の自社株式を生前に贈与したり、相続したときの価値(評価額)を算定するために必要な数値です。

令和2年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)

この法令解釈通達では、令和2年分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めています。

毎年一定数のお客様の会社の自社株の評価をさせていただいているので、毎年この時期になると、なんだかそわそわします。

早速、今年の傾向を確認しました。今のところ、前年平均株価が最安値ですね。

ただ、日経平均が今年の3月に相当落ちているので、類似業種比準価額の3月分の株価にどれだけ反映されているかが気になるところです。

毎年評価させていただいているお客様の事前準備として、自社株評価ソフトのデータ繰越と類似業種比準価額の更新まで昨日完了しました。次は会社保有の不動産の評価のため、7月に発表される路線価を待つばかりです。

昔、相続税法の勉強をしていたときは、取引相場のない株式が総合問題に出てくると、嫌いだったのでよくすっ飛ばしていました。

それが今は、実務でたくさんの経験を積ませていただいたおかげで、総合問題に出ると、心の中でラッキーって思うぐらい好きな論点に変わりました。

ちなみに自社株式の評価と言えば、こちらの本がおすすめです。

基礎からわかる自社株評価(清文社)」

内容は実務向けで、会計事務所の職員が読むことを想定して書かれています。

基礎編から応用編へと、職員と税理士の言葉の掛け合いで各ページがはじまり、解説は実際の評価明細書を用いています。

具体的でとても分かりやすく、基礎編を勉強するだけでも簡単な株価評価は出来るようになります。株価評価は深いので、後で肉付けしていく作戦でいいと思います。

実務において自社株式の評価をはじめる方は、この本を手元に置いておくと安心です。先輩に聞くよりも確実です。

私はもっと早く出会えばよかったなと感じている本です。

受験勉強においても、最新の取引相場のない株式の評価明細書を国税庁のウェブサイトから印刷して、各評価明細書の持つ意味を、問題の数値を使って理解していくと、いつの間にか苦手なイメージは払拭されると思います。

実務にも試験勉強にもおすすめです。